✒️記/2017年10月1日



私事であるが。

要介護認定を受けた身内と同居したことが
ある。彼女は、「パーキンソン症候群」と
診断された。平成14年である。


パーキンソン症候群は、多発性脳梗塞による。

もともと、脊柱側わん症による外科的手術も
平成12年春に鈴木信正医師から受けている。

その人が、50代から度々、脳軟化症や
脳溢血により半身不随を体験していた!


その身内は、多発性脳梗塞に罹患したが?
要介護認定を受けたのは、平成11年か。


要介護4にまでなり、骨粗鬆症によるヒビが
入ったのか骨折なのか、彼女は脛椎下部から
尾骨付近までを切開し、鎖状の金具を脊柱に
埋め込む手術をした(彼女は足が長かった)。


その身内は、脳梗塞によるパーキンソン症候群
となったが。現実は、記憶力のかたまりであり、
マッサージ師だったが(大正15年生まれ)、

解剖学の教科書を記憶していた(東洋鍼灸卒業)。


本人は、歌舞伎や新派通いをし、華道や茶道、
カメラ、小唄をたしなんだ。そんな母の叔母。

医学書を(国家試験の時から)記憶していた!


丸暗記みたいに、次から次に用語や説明が
スムーズである。彼女には言語障害はない。
失語もなかった。


母とひとまわり離れた、母の叔母は要介護4の
多発性脳梗塞の罹患者であり、背中には鉛の
かたまりのような鎖状の金具を埋め込んでた。


その人が、脳梗塞でありドーパミンが不足する
病気でありながら、記憶力はずば抜けていい。

おまけに、彼女は多趣味だったので華道や茶道で
お免状を持ち、小唄もかなり本格的であった!


脳外科の疾患とは、複雑化するのか。精神と
心の疾患でもあるケースでは、記憶力が低減
するというが。彼女は、記憶力が良かった。


彼女がいて、私の日常は、医学の摩訶不思議に
出会う羽目になった。


世の中では、ドーパミンが不足するケースは
記憶力も低下する、認知症を発生させるとか
痴呆になる、と聞いた。甲状腺疾患でも、だ。

しかし、母の叔母は学者肌だの芸術だのに造詣。


同居してからは、私の買った本を読み漁り
葉室頼昭氏、日野原重明医師、養老孟司医師、

乙武洋匡氏、鈴木健二氏、瀬戸内寂聴氏の本を
読むようになった。白内障の治療をしてからは
かなりの読書数となった。


それは、かなりな知識や認識度だった。歌舞伎、
新派通い、小唄、華道、茶道、和裁をこなして
60代から体を壊してしまったが。


その人を通して、医学が私の日常を変えた!
「肉体から、医学が生まれた」のだということ。


ということで、脳外科学の摩訶不思議から。
下記参照




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「高次脳機能がよくわかる」
脳のしくみとそのみかた

著:植村 研一
判型 A5
頁 136

発行 2017年09月

定価 3,024円 (本体2,800円+税8%)
ISBN:978-4-260-03195-0


複雑な脳の機能を、大脳生理学者の視点と長年の
臨床経験からわかりやすく解説


複雑な脳の機能のしくみを図を多用してテンポ
よく解説する。高次脳機能障害の患者さんに
出会ったときに、なんでこうなるの? がよく
わかる。麻痺や失語などのリハビリテーション
への、脳機能からのアプローチに役立つ1冊。

名著『頭痛・めまい・しびれの臨床』の著者が、
大脳生理学者の視点と長年の臨床経験から、
脳のしくみをわかりやすく解説する。





🖋️ 序文

はじめに

 医学生はもとより神経内科学や脳神経外科学を
専門としない臨床医にとって,脳のしくみ(脳の
解剖・生理)は理解しにくいもので,まして脳の
みかた(脳病変の有無とその局在の診断)などは
不可能であると最初から諦めているのではなか
ろうか.基礎医学者の書いた脳の解剖や生理の
教科書は,詳細で正確ではあっても,臨床の
現場への活用には実践的ではない.

 一方,神経内科学や脳神経外科学の教科書に
解説されている脳のしくみは,あまりに簡略化
されていて,ことに人間にしか存在しない高次
脳機能のしくみの理解や臨床研究に不十分な
場合が多い.この意味では,脳神経外科医と
神経解剖学者の共著による参考書は大変有用
である.
 大脳の機能局在を論じる場合,2つの立場が
ある.1つは症候論的立場で,失語,失認,構成
失行などと臨床的に特徴ある症状や徴候をとらえ,
それが大脳のどの部位で生じるかを論じる.これ
だとある症候が脳の複数の部位と関係する場合が
ある.神経内科の立場ではそれでよいだろうが,
脳の手術をする脳神経外科の立場では困る.脳の
どの部位を切開・切除したらどのような症候・
後遺症が発生するかを解明するのが脳神経外科の
立場の機能局在論である.

2017年8月
 植村 研一










🖋️目次


[1]脳と心

 A 神経学と心理学
 B 心理生理学と神経心理学
 C 人間の心と意識
 D 人間の死と脳幹死


[2]大脳半球は3つに分ける

 A 従来の葉区分の限界
 B 「知・情・意」をつかさどる脳の3区分


[3]中枢神経系の統合機構

 A 株式会社 中枢神経系
 B Brodmannの大脳皮質野の分類
 C 大脳皮質と視床の連携と統合機構


[4]「知」をつかさどる感覚統合脳のしくみ

 A 体性感覚
 B 聴覚
 C 視覚


[5]「意」をつかさどる表出脳のしくみ

 A 運動皮質,運動前野,補足運動野の役割
 B 脳障害による運動障害のしくみ
 C 矛盾性歩行
 D 運動系を随意運動系と自動運動系に2分
 E 非利き手の失行


[6]感覚統合脳と表出脳の役割のまとめ


[7]辺縁系(感情脳)のしくみ

 A 興奮と抑制-内側辺縁系と底外側辺縁系
 B 記憶機構とその障害-症例HM氏からわかったこと
 C 記憶機構の2ルートと3段階
 D 数唱問題と数唱学習


[8]記憶学習の脳内機構

 A 脳内記憶機構のしくみ
 B 忘却と神経細胞死
 C 脳の成長のしくみとその臨界期


[9]大脳半球の左右差

 A 優位(左)半球の役割
 B 優位半球の高次脳機能障害の簡単なみかた-失語症と抽象化能力
 C 劣位半球の役割
 D 劣位半球の高次脳機能障害の簡単なみかた
 E 劣位半球の絵画能力
 F 数学と大脳半球
 G 正中神経学
 H 優位半球,劣位半球という用語からの脱却


[10]脳内機構からみたリハビリテーション

 A リハビリテーションの意義
 B PT,OT,ST,MT,MKTの役割
 C リハビリテーションの向上


🗒️ あとがきにかえて 脳内機構からみた教育への提言

 A 日本における教育の問題点
 B 学習の臨界期
 C 学習・忘却曲線
 D 効果的な学習の成立条件
 E カリキュラム
 F 効果的学習評価・国家試験の改革


*参考文献
*索引



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